NEWS

2023.08.02

国内初、電通クリエーティブXが参画するメタバース プロダクションが映像制作向けCO2排出量可視化ツールをdentsu Japanと協働で開発、テスト運用を開始

  • リリース

第三者機関による適合性評価を取得、2023年10月より本格運用開始予定

テクノロジーを駆使し、映像制作における温室効果ガス削減とプロセス効率化を目指す共同プロジェクト「メタバース プロダクション」は、dentsu Japan(ブランド:「dentsu Japan」 拠点:東京都港区 代表者:CEO 榑谷 典洋)と協働で、CMやテレビ番組などの映像制作におけるCO2排出量を緻密に算出するカリキュレーター「Carbon Calculator for Movie Production」(カーボン・カリキュレーター・フォー・ムービー・プロダクション 以下、本カリキュレーター)を国内で初めて※1開発、テスト運用を開始しました。

本カリキュレーターの活用により、従来手法で撮影した場合と、環境負荷軽減に貢献する撮影手法であるバーチャルプロダクション(インカメラVFX)で撮影した場合のCO2排出量を算定、比較することができます。2023年10月の本格運用開始を目指し、顧客企業にCO2排出量算定レポートを提供することで脱炭素アクションを支援するとともにバーチャルプロダクション撮影の普及に取り組みます。

なお、本カリキュレーターに関する取り組みの詳細については、2023年8月3日(木)、9日(水)に開催される日経BP主催オンラインカンファレンス「バーチャルプロダクション Days + 2023」内のセッションにて、テスト運用の動向やシミュレーション計測結果を含めてご紹介いたします。

開発背景

企業においては2050年カーボンニュートラル実現に向け、気候変動対策を考慮した経営への移行、脱炭素へ向けた取り組みが求められています。国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が開催された英国では、広告業界3団体の主導による「アド・ネットゼロ」(温室効果ガス排出量を実質ゼロにすること)の取り組みが2020年11月よりスタートしています。欧米の放送業界や広告業界では、すでにCO2排出量を算出するカリキュレーターの運用が定着しており、世界三大広告賞と称されるカンヌライオンズでは2023年から応募企業に対しCO2排出量測定が任意で求められ始めています。一方、日本においては映像制作の在り方や排出係数、習慣、言語が欧米と異なるため、日本版の映像制作向けCO2排出量カリキュレーターの開発が急務でした。

「Carbon Calculator for Movie Production」について

企画から原版納品まで、映像制作ワークフローの実測値を収集し、CO2排出量を緻密に、実施ベースで算出するツールです。「企画」「制作準備~撮影」「ポストプロダクション~仕上げ」の各フェーズでCO2が排出される要素を棚卸し、シンプルなインターフェースのExcelに排出要因となる数値を入力することで、映像制作におけるCO2排出量として自動算定できます。

本カリキュレーターは、企業のサプライチェーン温室効果ガス排出量の算定支援を行う株式会社ウェイストボックス(本社:愛知県名古屋市 代表取締役:鈴木 修一郎)と連携・開発しました。英国の国際認証機関LRQAリミテッドによるISO14064‐3:2019※2およびISAE3000※3等を参照したLRQAリミテッド基準で第三者による適合性の確認を実施し、映像制作サプライチェーンにおけるCO2排出量の算定方法、算定範囲、排出原単位、係数などに関する適合性評価を受けております。

【主な特長】
●日本独自の排出係数を使用し、業界習慣を反映した、国産の映像制作カーボンカリキュレーター
●各制作フェーズにおけるCO2削減手段を推奨し、削減効果を客観的に数値化
●制作スケジュールから予測値を入力できる機能を実装し、事前に削減方針を比較検討が可能

【LRQAリミテッドによる評価概要】
●評価対象:CO2排出量算定システム「映像制作に関わるCO2排出量のカリキュレーター」
●対象項目:算定方法、算定範囲、原単位、係数、算定の活動、データの収集方法、プログラム
●評価に適用した基準:ISO14064‐3:2019およびISAE3000等を参照したLRQAリミテッド基準
●LRQAによる声明書発行日:2022年12月28日

今後の展望

現在、複数の広告映像制作案件にてテスト運用を実施するとともに、本カリキュレーターを用いてCO2排出量を算定する人材(サスティナビリティ・プロダクション・マネージャー)を育成しており、本格運用開始時にはあらゆる企業の皆様に本カリキュレーターを使用いただけるよう、運用体制を整えています。将来的には、現在のExcel版からウェブ版、アプリ版へと発展させ、映像制作業界での本カリキュレーター使用が常態化することを目指しています。

メタバース プロダクションが提供している大型LEDディスプレイ常設スタジオ「studio PX※4」や大型LEDディスプレイを用いた「インカメラVFX撮影」、LEDディスプレイに投影する「背景3DCGアセット」などのPXサービスと掛け合わせ、日本国内の映像制作におけるCO2排出量評価制度を確立するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。

※1 日本国内における「広告事業者による映像制作向けCO2排出量算定ツール」として 2023年7月 メタバース プロダクション調べ
※2 ISO14064-3:2019:国際標準化機構(ISO)が定めたGHGに関する主張の妥当性確認および検証のための仕様、手引き
※3 ISAE3000:国際会計士連盟(IFAC)が定めた非財務情報全般に関する国際保証業務基準
※4 PX:プロダクション・トランスフォーメーション(Production Transformation)の略

バーチャルプロダクション Days + 2023について

会期:2023年8月3日(木)、8月9日(水)の2日間
会場:オンライン開催
主催:日経BP
後援:映像産業振興機構(VIPO)
参加方法:下記URLより事前申込(参加料は無料)
申込URL:https://events.nikkeibp.co.jp/vpd/2023/info/

メタバース プロダクションについて

テクノロジーを駆使し、映像制作ワークフローにおける“温室効果ガスの削減”と“プロセス効率化”を目指す、東北新社、電通クリエーティブX、ヒビノ、電通クリエーティブキューブ、オムニバス・ジャパンによる共同プロジェクト。メタバース内で映像制作が完結する未来を見据え、バーチャルプロダクション撮影(インカメラVFX)の普及・推進や各種サービス開発・提供を進めています。

■公式サイト:https://metaverse-px.com/
■Twitter:https://twitter.com/metapro_PR
■Facebook:https://www.facebook.com/metaproPR
■YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCGm8GekbqPtara2A_48GeTg

TOP